第43回 講演会 ベンダー任せを脱却する!病院主導で進める医療ITと情報基盤

2026年8月27日(木)に、第43回 Digital Medical Innovation Lab.主催 医療DX講演会を開催いたしましたので、ご報告申し上げます。
■講演会/2026年8月27日(木)19:00〜20:00
倉敷中央病院では、1970年の外部委託によるシステム導入を皮切りに、1980年代以降の部門システムの自院開発、2003年の電子カルテ化など、国内でも先駆的なレベルでIT化を進めてきた歴史をお話しいただきました。一方で、病院内IT部門は専門知識が不足しがちで、電子カルテベンダーを頂点とする階層構造の中でベンダーに都合の良いシステムが導入されやすく、IT部門が疲弊しやすいという構造的課題についても言及がありました。
こうした課題を踏まえ、ベンダー任せから脱却し、経営戦略と整合したIT戦略計画・予算管理(7年間で医療収入の1.2%を投資上限とする計画など)を病院主導で行うことの重要性を強調されました。セキュリティ面では、1995年頃からゼロトラストの考え方を意識し、ネットワーク分離という神話に頼らず、Active Directoryによる厳格な認証と多層防御を徹底しているとのご紹介がありました。また、全PCをドメイン管理下に置きベンダーに管理者権限を渡さない運用を貫く一方、Microsoft 365の導入によりBYOD等の柔軟な業務環境も実現しているとのことです。
象徴的な事例として、通常は多額の費用と長期停止を伴う電子カルテ更新・端末入れ替えを、ベンダーの動作保証によらず病院スタッフ主導で週末の短時間(約15時間)で実施し、大幅なコスト削減と効率化を達成した取り組みが紹介されました。今後の展望として、院内システムの最適化にとどまらず、地域全体でシステムや医療情報を共同利用・共有する地域医療エコシステムの構築にも取り組んでいくとのお話がありました。
講演後の質疑応答では、医師をはじめとする医療従事者や各企業の皆様から病院主導のIT戦略やゼロトラスト運用の具体的な進め方などについて多数の質問が寄せられ、藤川氏に一つ一つご回答いただきました。
<テーマ>
ベンダー任せを脱却する!病院主導で進める医療ITと情報基盤
<演者>
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 情報システム部 部長
藤川 敏行 様
<座長>
神戸大学大学院医学系研究科 医療創成工学専攻 特命講師
脳神経外科 兼務
松尾 和哉 先生
ご参加いただいた皆様、この度は誠にありがとうございました。
________________________________________
▼DMIL(ディーミル)は、デジタル医療&デジタルヘルスケアについての知見を深め、理解し、地域や専門科を越えて学びあう場を提供することを目的とした学術団体です。有料会員制度となり、入会後は無料で講演会等に参加できますので、医療DXにご興味がある方は是非お気軽にご登録、ご参加ください。
会員登録はこちら